『骨にも免疫にも重要なビタミンDについて』 ゲノミクス栄養学 メルマガvol.1

『骨にも免疫にも重要なビタミンDについて』

少しずつ春めいてきましたね。明るい日差しで気分は高まる一方、季節の変わり目の不調や花粉などでお困りの方も多いのではないでしょうか? ゲノミクス栄養学 メルマガ第一回目は、今まさに大切な免疫と大きく関係するビタミンDについてお話します。

ビタミンDは油に溶けやすい「脂溶性ビタミン」の1つで「ビタミンD2」と動物性の「ビタミンD3」に分類されます。

ビタミンDはカルシウムの吸収促進、骨の成長、血中カルシウム濃度を調節する重要な役割のある栄養素で、健康な骨を維持するために欠かせません。骨格以外にも特に免疫、内分泌、および心血管系に対して多くの効果を発揮します。

ビタミンDには免疫力を調整するはたらきがあり、ビタミンDの血中濃度を上げると、

風邪やインフルエンザなどのウイルスに抵抗する力をつけることができます。

その他にがんや心臓病、認知症など、さまざまな病気のリスクを低下させるという研究結果も報告されています。

ビタミンD3はサプリメントの他に油分の多い魚(鮭・鰯・鯖など)に多く含まれます。

動物の皮膚では紫外線を浴びることでビタミンD3が合成され、

日光に当たる機会が少ない方は特に不足しやすい傾向にあるといわれています。

不足すれば、子供は「くる病」、大人は「骨軟化症」に罹患する可能性も出てきます。

「くる病」は足の骨がO脚に変形し歩行しづらくなることもある病気で、骨折や痛みを引き起こします。小児に発症するものを「くる病」、成人に発症するものを「骨軟化症」といいます。高齢の方はビタミンD不足が長く続くと骨粗しょう症のリスクが高まります。

また、ビタミンDには細菌やウイルスを殺す「カテリジン」を作らせる働きがあり、

「β-ディフェンシン」を皮膚上に作らせ、バリア機能を高めます。ビタミンDは食べ物から摂る以外に紫外線を浴びることで体内に合成されますので、紫外線が減少する冬場はビタミンDが減少し、アトピー性皮膚炎が悪化しやすくなるともいわれています。

さらにビタミンDは適切な免疫抗体の産生を促すため、花粉症を根本的に改善してくれます。神経系にも関係があるため、「冬季うつ」と呼ばれる季節性感情障害にも効果が期待できることがわかってきています。

ビタミンDは摂り過ぎた場合にも身体に悪影響が生じる可能性のある栄養素ですが、

紫外線を浴びて生み出されるビタミンDの量は必要に応じて調節されるため、

日光の当たり過ぎによって過剰になることはありません。ただし、食事やサプリメントでの過剰摂取には注意しましょう。

あまり外出をしない方や夜型の生活を送っている方は、日照時間が少ない冬場でも1日15分程度は日光を浴びるようにすると良いでしょう。

■ビタミンDが多く含まれる食品

(魚類)

・いくら

・うなぎ

・あん肝

・まいわし

     他

(動物性食品)

・全卵

・鶏レバー

・豚足

     他

(キノコ類)

・エリンギ

・干し椎茸

・えのき

     他