『マグネシウムの効果について』 ゲノミクス栄養学 メルマガvol.2
「マグネシウムの効果について」
桜の開花が楽しみなシーズンを迎えました。美しい花は心も豊かにしてくれますね。
今回は、健康の要を担うマグネシウムについてお伝えします。きれいな桜を見るとついお酒が進んでしまう方にも、ぜひ積極的に摂っていただきたい重要なミネラルです。
🔳マグネシウムの働き
マグネシウムは、体内で約300種類以上もの酵素の働きを助けるミネラルの一種です。三大栄養素からエネルギーをつくり出す過程において酵素は必要不可欠ですし、特に炭水化物(糖質)の代謝にもマグネシウムは深く関わっています。
また、つくり出したエネルギーを効率良く利用するためにもマグネシウムが働いています。
このように、マグネシウムは酵素反応を助けて体内で起こる生理機能を支えています。
主に小腸で吸収され、腎臓で排泄される栄養素であり、不足すると腎臓での再吸収が促進、
骨から放出されることで血中濃度が一定に保たれるという性質があります。
また、骨の成長や強化、維持に重要な働きをします。体内に約20~30g存在し、約60%は骨に含まれ、残りは筋肉や脳、神経にあります。
マグネシウムの働きには下記のような働きがあります。
・筋肉の収縮
・神経情報の伝達
・血糖コントロール
・血圧調整
慢性的に不足すると、動悸、不整脈、神経過敏、抑うつ症、虚血性心疾患、動脈硬化症などのリスクが高まります。そのほか、筋肉の痙攣、骨の形成への影響、食欲不振、疲れやだるさ、不安などの精神症状や、骨粗しょう症、糖尿病など生活習慣病のリスクも高まります。
🔳マグネシウムの摂り方
マグネシウムは主に玄米や雑穀、ナッツ類といった精製度の低い食材に多く含まれます。
しかしながら食の欧米化で、高脂肪・高カロリー食が増えた一方、玄米や雑穀はあまり食べられなくなったため、現代人は慢性的にマグネシウムが不足していると言われています。さらに肉や加工食品、清涼飲料水などに多く含まれるリンを過剰に摂取することにより、マグネシウムの吸収は妨げられます。大量のアルコール摂取や、利尿剤の長期間使用によってもマグネシウムの排出が起こります。
睡眠不足や運動不足が続いたり、ストレスが多い時には体内のマグネシウムがより多く消費されるため、食事からはもちろん、サプリメントなどを取り入れてマグネシウムをしっかりと摂取する必要があります。
過剰に摂取した場合は、小腸で吸収量が調節されます。
摂取し過ぎても尿や汗と一緒に体外に排泄されるため、通常の食事での摂取による健康障害は考えにくいものの、サプリメントなどでの過剰摂取にはやはり注意が必要です。
🔳マグネシウムを多く含む食品
マグネシウムは魚介類や藻類、豆類、野菜類などに多く含まれています。
マグネシウムを含む食品
○野菜類(らっかせい、ほうれんそう、ごぼう、えだまめなど)
○大豆製品(豆腐、納豆など)
○穀類(玄米など精製していないもの)
○藻類(昆布、わかめ、のりなど)
○魚介類(干しエビ、あさり、きんめだいなど)
マグネシウムは健康に欠かせない大切な栄養素です。毎日の食事やサプリメントできちんと摂るようにしましょう。