『オメガ3の健康・美容効果について』 ゲノミクス栄養学 メルマガvol.3
オメガ3脂肪酸が体に良いことは知っているけれど、どんな効果が期待できるのかご存知ですか? 実はダイエットや美肌、さらには免疫力もサポートしてくれる頼もしい味方なんです。
■オメガ3脂肪酸とは?
オメガ3脂肪酸は、αリノレン酸や魚の油に含まれるDHA、EPAなどの総称で、体内で合成できない多価不飽和脂肪酸の一つです。身体の機能維持に欠かせない必須脂肪酸であり、食品やサプリメントから補うことが大切です。
オメガ3脂肪酸が最初に発見されたのは、約50年前。脂身たっぷりアザラシやクジラを中心とした食生活を送るイヌイット(北極圏の先住民族)ですが、心臓病の発症率は突出して低いとわかり、調査研究されたことがきっかけとなりました。
「オメガ」とは、脂質の主成分である脂肪酸の「分類」です。
脂肪酸は乳製品やお肉などの動物性脂肪に含まれる飽和脂肪酸と、植物性で常温では液体の不飽和脂肪酸に分かれます。さらに不飽和脂肪酸は更に多価不飽和脂肪酸と一価不飽和脂肪酸に分類され、多価不飽和脂肪酸はオメガ3系脂肪酸とオメガ6系脂肪酸に分かれます。エゴマや亜麻種子などの植物油に含まれているαリノレン酸、魚油に含まれているEPA/DHAなどはオメガ3系脂肪酸です。
■オメガ3脂肪酸の働き
解明されていないことも多いオメガ3脂肪酸ですが、主な働きは身体の全身の細胞膜の材料になること。その独特の分子構造は、血管をしなやかにして心臓病に伴うリスクを低下させ、血液の循環を高める作用もあります。オメガ3脂肪酸は動脈硬化や高血圧、認知症などの予防に優れた効果を発揮するため、健康にいい栄養素として注目されるようになりました。美肌作用もちろん、髪の健康や薄毛予防にも効果的です。
また、血圧の上昇を防いだり、血栓予防、アレルギー原因物質の発生抑制、生活習慣病の予防など幅広い効果が期待されています。ゆえに不足すると、脳や神経、皮膚などに異常が現れやすくなると考えられています。食品からの摂取が必要なため、最近では食用油にαリノレン酸が入っているものや、DHAやEPAのサプリメントが販売されるようになりました。
≪オメガ3脂肪酸を多く含む食品≫
マサバ
マイワシ
タラコ
サンマ
イクラ
くるみ e
アマニ油
えごま油
■抗炎症効果で腸内環境にもよい影響を与える
オメガ3脂肪酸には抗炎症作用があり、適切に摂取することで腸の炎症を抑制する効果も期待できます。もちろん腸粘膜の細胞膜を整える働きもありますから、お通じや、精神的安定までもサポートしてくれます。幸せホルモンと呼ばれるセロトニンはその大半が腸内で生成されるため、腸内環境に良いオメガ3脂肪酸は心身の健康のために積極的に摂りたい栄養素なのです。
摂りすぎにより炎症の原因になるのがオメガ6系の脂肪酸。オメガ6系脂肪酸は大豆油やコーン油、マヨネーズなどの植物油に含まれるリノール酸などの脂肪酸で、適量であれば血中のコレステロール濃度を低下させる作用がありますが、摂り過ぎは腸をはじめ様々な臓器の炎症を引き起こすことになります。
■オメガ3脂肪酸は酸化しやすい特徴も
オメガ3の特徴として、非常に酸化スピードが速いことが挙げられます。酸化した油は、体を酸化させ、動脈硬化の原因となり、老化スピードを速めます。そのため、αリノレン酸が入っている家庭用植物油は、早めに使い切ることが大切です。また、熱にも弱い性質があるため、炒め物などよりも、ドレッシングやマリネに使用する方が良いとされています。オメガ3を摂る場合には、加熱料理ではなく、スプーンで飲んだり、サラダ、ヨーグルトなどにかけて食べるとよいでしょう。またはサプリメントで手軽に取り入れることもオススメします。