『目の健康や美肌に欠かせないビタミンAについて』ゲノミクス栄養学 メルマガvol.4
そろそろ梅雨入りの季節ですね。体調やお肌が安定しづらい時期ですので、偏った食生活や運動不足には気をつけたいところです。今回は、目の健康や免疫力、病気の回復、そして美肌にも欠かせないビタミンAについてお伝えします。
●ビタミンAとは?
ビタミンAは、レチノール、レチナール、レチノイン酸の総称で、脂溶性ビタミンに分類されます。
体のなかに入ったビタミンAは脂肪とともに小腸から吸収されると、ほとんどは肝臓に蓄えられ、そのほかは血液によって心臓や肺、腎臓など、各組織に運ばれていきます。
体の中では3つの活性型「レチノール・レチナール・レチノイン酸」として存在し、目や皮膚の粘膜を健康に保ったり、抵抗力を強めたりする働きがあります。
またレチノールは、視細胞での光刺激反応に関与するロドプシンという物資の合成に必要なため、薄暗いところでの視力を保つために欠かせません。最近ではレチノールが上皮細胞で発癌物質の効果を軽減するといわれています。
●化粧品成分としてのビタミンA
また、レチノールは化粧品の成分としても人気ですので、使ったことがある、という方も多いでしょう。
・レチノール
シワやたるみを改善する効果が期待でき、肌の細胞体に働きかけて肌の症状を改善します。
ニキビやニキビ跡の改善にも効果があると言われています。
・レチナール
レチノールが酸化したもので、レチノイン酸になる前の段階です。
・レチノイン酸
レチノイン酸は、主に皮膚科での治療薬として使われています。とくに強力なターンオーバー促進作用があり、その効果はレチノールの約50~100倍ともいわれています。
●ビタミンAの必要摂取量
ビタミンAの欠乏を防ぐための必要摂取量は
厚生労働省推奨の成人男子は1日あたり900 RAEで、成人女子は700 REで、幼児期や妊娠中、授乳中によって異なるため、厚生労働省HP
(https://www.ejim.ncgg.go.jp/pro/overseas/c03/13.html)などをご参照ください。
●ビタミンAを多く含む食品
ビタミンAは多くの食品中に天然に含まれますが、牛乳やシリアルなどの食品に添加する場合もあります。
【動物性食品】
鶏レバー
豚レバー
うなぎ
牛レバー
食塩不使用バター
有塩バター
あなご
うずら卵
卵黄
ホイップクリーム(乳脂肪)
【植物性食品】
干し海苔
焼き海苔
しそ
にんじん
乾燥わかめ
ほうれん草
通常の食生活であればビタミンAが不足することはほとんどありません。
ただし、欠乏状態になると暗がりで視力が著しく衰える夜盲症を発症、皮膚や粘膜の乾燥、子どもの場合は成長障害などにつながる可能性が指摘されており注意が必要です。
逆に脂溶性ビタミンは肝臓に貯蔵されるため過剰摂取による健康被害を引き起こすことがあります。脳圧亢進や肝機能障害、骨障害、吐き気やめまい、目のかすみなどが起きるおそれがあるので、サプリメントやビタミン剤で摂取する場合は製品の摂取目安量を守るように心がけましょう。